社員が高価な備品を不注意で壊してしまいました。損害賠償を求めることはできるでしょうか?

【質問】

社員が高価な備品を不注意で壊してしまいました。損害賠償を求めることはできるでしょうか?

 

【回答】

通常起こりうると想定される不注意の場合、損害賠償を求めることは難しいでしょう。あまりに本人に問題があるケースであっても、全額は難しく、例えば、居眠り運転で事故をして会社に損害を与えたケースでも、損害賠償額は1/4とされた裁判事例があります。

また、故意であれば、当然に100%の損害賠償を求めることが可能です。

質問のような、不注意というレベルだと、余程複数回の不注意・注意指導を繰り返したケースでない限り、損害賠償を求めるのは難しいと思われます。

 

【解説】

そもそも、社員の行為は事業主の代理行為という形で、事業主に全責任があります。だからこそ、社員によってもたらされた利益を当然に事業主のものとすることができるわけです。

その不注意とされたミス・行為が、事業主の代理行為のひとつとして行われた以上は、その責任を社員に求めるのは難しいでしょう。

 

そもそも、そうでなければ、そのリスクに見合った給与を払う必要が出てきます。10万円の給与で、何千万円の商品を扱うのは、たとえ壊す可能性が少なくても、リスクが高すぎて、誰も働いてくれなくなってしまうからです。

社員は損害保険などでリスク回避することもできませんので…。

 

ただし、規程や契約書において、注意喚起を促す意味合いで記載するケースは多く見られます。

実際、社員が会社の物品を大切に扱わないという相談は非常に多いです。

経営者の質問のような感情は、社員の物品の扱い方次第で、発生しないのも事実です。

社員が大切に会社の物品を扱っていると思えば、ほとんどの経営者は賠償請求など思いもよらないはずなんですけどね…。

社員側も『壊れても、自分の懐は痛まないから、雑な扱いでかまわないや』と悪意で行っているケースは少ないんですけどね…。

 

個人的には、注意喚起の文面は入れざるを得ないというのが実感としてあります。

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平成22年11月26日(金)

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京都商工会議所2階教室

(京都市中京区烏丸夷川上る)

平成22年11月26日(金)に開催される、京都商工会議所の人事労務サポートセミナーに講師として参加させていただくことになりました。

参加費無料とのことです。 

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