最近の残業代支払い命令(ニュースより)

最近ニュースになっている残業代支払い命令が下った案件について、いくつかご紹介してみましょう。

 

※産経新聞・朝日新聞より転載

 

(1)「残業隠し」の証拠提出 東建コーポの社員ら

 

残業代が支払われていないとして、名古屋市のマンション建設会社「東建コーポレーション」の社員ら5人が、同社に計約3800万円の支払いを求めている訴訟で、原告側は25日、未払い残業代の請求を社員にあきらめさせる会社側のマニュアルを証拠として岡山地裁に提出した。原告側は弁論で「会社ぐるみで組織的に残業隠しをしていた」と指摘。会社側は「(反論を)検討する」とした。
原告らによると、名古屋東労働基準監督署からの残業代支払い勧告を受けて、同社は平成20年3月「『未払い賃金なし』とするように本人を誘導する」と記載したマニュアルを作成し、各事業所に配布した。会社側はマニュアルに従って原告らを説得、「未払いの賃金はない」とする書面に署名させた。原告の一人は「賃金を請求すれば配置転換すると言われ半強制的だった」と話している。

 

いろんな事情があるでしょうが、虚偽申請を強要するのは…ですね。

 

(2)過労で寝たきり ファミレスに1億8千万円賠償命令 鹿児島地裁

 

長時間残業の過労で倒れ、寝たきりになったとして、ファミリーレストランの支配人だった鹿児島県鹿屋市の松元洋人さん(35)と両親が、店を経営する「康正産業」(鹿児島市)に損害賠償などを求めた訴訟の判決で、鹿児島地裁は16日、約1億8700万円の賠償と未払い残業代約730万円の支払いを命じた。判決理由で山之内紀行裁判長は、松元さんが自宅で倒れる前の6カ月の時間外労働が月平均約200時間だったと認定。「残業代を支払わずに時間外労働をさせ、過酷な労働環境を見て見ぬふりで放置した。安全配慮義務違反は明らかだ」と会社の責任を指摘した。判決によると、松元さんは「ふぁみり庵まどか亭札元店」の支配人だった平成16年11月10日、就寝中に心室細動を発症、低酸素脳症で寝たきりになった。06年1月に労災認定を受けた。

 

月200時間の残業ということは、月370時間くらい働いていますね…。

休みがなかったとして1日13時間弱、4日休んで1日14時間超。

これはさすがに働かせすぎですね。

 

(3)「ちゃんこ若」に未払い残業代2600万円の支払い命令

 

元横綱三代目若乃花の花田勝さんがプロデュースするちゃんこ鍋店「Chanko Dining若」をチェーン展開する運営会社「ディバイスリレーションズ」(大阪府吹田市)の元社員6人が、未払い残業代の支払いを求めた訴訟の判決が17日、京都地裁であった。辻本利夫裁判長は「支払った賃金に残業代などが含まれる」とする同社側の主張を退け、同社に2600万円の支払いを命じた。
判決によると、6人は平成17~19年の間に採用され、「Chanko Dining若」の京都四条店などで勤務していたが、1日8時間の所定労働時間を超える長時間労働をしていたにもかかわらず、残業代が支払われていなかった。
判決で辻本裁判長は、同社について「原告の実労働時間を少なく算定するなど、支払うべき賃金を不当に少なくしようとする姿勢が顕著」と認定。残業代など約1500万円のほか、付加金として約1100万円の支払いを命じた

 

結果、今日のニュースで破産になってましたね。これが原因ではないでしょうが…。

 

(4)総額3億円か 不払い残業代ほぼ2年分 アイシン精機支払い

 

自動車部品大手のアイシン精機(愛知県刈谷市)は、刈谷労働基準監督署の是正勧告を受けて2008年1月~09年11月のサービス残業分の賃金を今年3月に支払ったことを明らかにした。同社はサービス残業の時間と支払額を公表していない。
同社広報部によると、是正勧告は09年10月下旬の同労基署の立ち入り検査に基づくもので、30分単位で記録された残業時間と従業員のタイムカードの出退勤時間の間に差があったという。
勧告を受けて同社は、社内調査を実施し、同年12月にパートを含む従業員約1万2千人の残業実態を個別に確認。実際の残業時間が29分でも、30分未満の残業はカットされていたことが判明。広報部は時間や支払額を公表していないが、同社関係者によると、確認された残業は計10万時間分、支払額は約3億円に上るという。
対策として、同社は4月から残業時間の記録を15分単位にし、より厳密に入社ゲートでも出退勤を記録する二重チェック態勢をとった。
同社広報部は「管理職、従業員とも時間管理の認識が甘かった」と話した。

 

15分単位で許してもらえたのでしょうか?

それにしても人数が多いと驚きの額ですね…。

 

さっと検索しただけでこういう事例が出てきます。

 

悪質なところだけがやられるというのは、近い将来誤った認識になります。

過払い請求の専門家が、ターゲットを変えて労働者と一緒に請求してくる時代は、もう目の前に迫っています。

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