扶養の範囲内で働きたいと言われましたが…。

【質問】

扶養の範囲内で働きたいと言われました。

どれくらいまで働いてもらえるのでしょう?

 

【回答】

まず、以下のいずれなのか、配偶者・配偶者の勤務先等に、正確に確認してもらってください。

①源泉所得税における扶養配偶者でありたい。

②協会けんぽの扶養・国民年金第3号被保険者でありたい。

③配偶者の家族手当をもらい続けたい。(不支給となる条件を正確に)

④共済組合・健康保険組合の扶養であり続けたい。(外れる条件を正確に)

上記のどれも、『扶養の範囲内』という表現で片づけられてしまいます。

 

しかし…。

①1月~12月の収入が103万円以下(給与のみの場合)

②今日以降1年間の収入見込みが130万円未満

③会社独自ルールのため様々

④原則は②ですが、期間や判定方法は独自のケースがあります

あと、上記が正しくても、窓口となる配偶者の会社の担当者が誤った認識をしているケースもあります。配偶者の立場上、その誤りを修正できないケースもあるので、いずれにしても、細かく聞いてきてもらうほうが良いです。

 

【解説】

被扶養配偶者であることによって、以下のメリットを享受できることになります。

①配偶者の所得控除380,000円→税率次第で最高年間190,000円(標準世帯は76,000円~108,000円)

②医療保険無料、国民年金無料(自分で入れば、医療保険50,000円程度、国民年金年間181,200円)

③家族手当:配偶者の会社による

 

家族手当が多く支給される会社によっては、扶養から外れると、結果的に働いて収入が減るようなことも考えられます。

 

上記①と②の額も、103万円だ130万円だと言っている話の中の、10万円、20万円ですから、かなり影響は大きいです。

 

はっきり言えば、扶養の範囲内という希望の方を雇用して、そのギリギリまで働いてもらおうとすると、多くの場合、トラブルや悩み、面倒なことになります。

 

人手が足りなくて働いて欲しいのに、収入が超えてしまうので働いてもらえない。

 

人手が足りなくてお願いしてたくさん働いてしまったら、収入が超えてしまって数十万円の損をさせてしまった。

 

こうならないために、余裕を持った時間数での勤務をお願いしましょう。

 

ギリギリまで働きたいという方には、こちらの忙しさで残業や臨時出勤をお願いした結果、万一超えてしまったとしても責任はとれないし、どうすることもできないが、それでも当初からギリギリになるくらいに勤務されますかと確認しておきましょう。

 

なお、②の社会保険の扶養については、本来は、臨時的に130万円を超えたとしても、即時扶養から外れるという考え方ではありません。

ただし、結果的にいつも超えていたり、配偶者の会社でのルールで130万円を超えたら絶対アウト、3ヶ月の平均月額が108,334円以上になるとアウトというケースもありますので、配偶者の勤務先に確認しておいてもらうほうが無難でしょう。

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