【質問】
社員の一人がどうしても会社指定の銀行で給与振込用の口座を作ってくれません。強制しても良いものでしょうか?
【回答】
賃金支払い5原則のひとつ、通貨払いの原則から、原則は現金渡しだったりします。給与振込は、同意を得た上で本人が指定する口座でなければなりません。
従って強制することはできません。
ただ、振込手数料の関係もあります。強制せずに、うまく同意を得られるように、会社の希望する銀行・支店の口座を指定してもらえるようにお願いしてみましょう。
『お願い』も本来微妙なんですが最終的に気持ちよく同意してもらえれば大きな問題にはならないでしょう。
【解説】
賃金支払い5原則というものが、労働基準法で定められています。
直接・通貨で・全額を・月に1度以上・定期的に支払うことになっています。
この通貨払いに、会社指定の銀行・支店で口座作成を強制することが違反になります。
ごく当たり前に、強制している会社を見かけます。入社直後に口座作成をお願いする事が多いため、逆らわずに作成してくれるケースがほとんどです。
ここを退職時にむしかえすケースはほとんど見られませんが、この質問のように拒否をされてそれを押し切ると、労働基準法に詳しい労働者だとトラブルになることも出てきます。
銀行が手数料をしっかりと取る時代です。メインバンクへ給与を移すことの面倒さや手数料を考えて、拒否する労働者もいて不思議ではありません。
あくまでもお願いまでに止めてください。
なお、当然、現金で渡すことは全く問題ありません。というか、それが原則です。
ただし、受け取りについては、受け取り確認印など、後でもらったもらっていないでトラブルにならないようにしておく必要があります。
過去、退職金をもらったもらっていないでトラブルになったケースもあります。
特に金額が大きい場合は、振込で第三者的な証拠が残るような取り扱いをしておくことも大切です。
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