正社員?パートタイマー?アルバイト?契約社員?正しくはどういう意味なのでしょう?

【質問】

正社員?パートタイマー?アルバイト?契約社員?正しくはどういう意味なのでしょう?

 

【回答】

言葉の定義として、法律上明確になっているものは、上記の中にひとつもありません。解説の中で、一般的な考え方とよくある定義、ややこしくしないためには何を基準に切り分ければ良いかを整理してみましょう。

 

【解説】

まずは、一般的な考え方から。

 

・正社員

月給制で雇用契約期間のない賞与・退職金の支給対象となる雇用者。

 

・パートタイマー

本業として時間給で働く人、正社員より労働時間の短い時間給者。

 

・アルバイト

学生および他で主たる勤務先がある人。

 

・契約社員、臨時従業員

雇用契約期間に定めのある人。

 

・嘱託社員

定年退職後、会社に請われてそのまま勤務している人。

 

こんなイメージでしょうか?

 

パートタイマーという言葉は、厚生労働省も積極的に使っています。その定義は、おぼろげながら、『パート(部分的)タイム(時間で)労働者』≒『短時間労働者』といった感じです。

つまりは、正社員に比して労働時間が短い者という定義になっているようです。

しかし、実態はというと、『時間給で働く労働者のうち、学生アルバイトでない何もなければずっとここで勤務してくれる人』といった定義で運用されているケースが多いです。

所定労働時間も全く同じだったりします。

その他の条件も、有給休暇や保険加入等、法律上存在している権利部分については、最近は少しずつその差が埋まっては来ていますが、大きな違いがあります。

※当然、仕事内容や責任の違いもあります。

 

アルバイトという言葉は、辞書で引くと『副業』という意味が出てきます。

比較的、そのイメージで運用されているケースが多く、学生(本業は学業)や他でメインの勤務先がある人などを指しています。

あくまでも本業があるわけですから、臨時的な意味合いが付加されてあり、一定期間で退社していく人という意味合いも含んでいます。

 

契約社員という言葉は、ある意味、月給制だが、終身雇用を約束せず、条件も低めに設定できるようにという意向で、ここ10年程度でできてきたスタイルです。

正社員だって雇用契約に基づくわけですからおかしな感じもしますが、正社員が雇用契約ということをあまり意識せず信頼関係で成り立っていることが多いのに対して、『終身雇用を約束しない』=『雇用契約期間に定めがある』ということを、トラブル防止のために明確に契約しておくことから、そう呼ばれているように思います。

 

いずれにしても、定義自体がいい加減です。

ですから、上記のような呼称だけで区別するのは限界があり、就業規則等で区分けしていく際には、以下の判断項目でわけるほうが、明快でしょう。

 

(1)給与の支払い体系

月給制(月を単位として給与額が定められている者)・時間給制(時間を単位として給与額が定められている者)

 

(2)雇用契約期間の定めの有無

期間の定めのない雇用・更新の可能性のある期間の定めのある雇用・更新予定のない期間の定めのある雇用

 

(3)所定労働時間

すべての時間に勤務する(最大所定労働時間勤務する)・一部を勤務する(最大所定労働時間より少ない時間数勤務する)・半分未満しか勤務しない(3/4未満しか勤務しない)

 

これであれば、2×3×3で18通り明確に区分されます。

存在し得ない区分もあるでしょうし、いくつかの区分をまとめてひとつの呼称というのもあるでしょう。

しかし、呼称の根拠が上記によって明確であれば、権利・義務の問題になった際に、くっきりと区別・判断ができてややこしくないはずです。

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