セクハラ・パワハラシリーズ⑥『セクハラ・パワハラでトラブルを起こさないために』

セクハラ・パワハラシリーズも今日で6日目。

 

今日くらいでまとめて終わろうと思っております。

 

はい。

 

 

【法的にどうか?】

 

セクハラは、男女雇用機会均等法により、性別による不利益を禁じていることから、男女問わず、性的な嫌がらせが生じないようにする義務を事業主に課しています。

 

これは事業主→労働者は当たり前として、労働者→労働者の場合であっても、事業主がその管理者・環境配慮者としての責任を問われるわけです。ひどい場合には、客→労働者の場合であっても、きっちりとした保護・防御策を取らなければ、責任を問われる可能性があります。

 

パワハラについては、直接の禁止規定は見当たらないものの、労働契約法に定められた安全配慮義務は、広い意味で、パワハラ防止も当たり前に含まれるという考え方ができます。

安全配慮義務ですから、労働者が受けるものであれば、職場内で起こっている以上、加害者がだれでも、事業主の管理責任は問われます。

 

【セクハラ・パワハラの定義】

 

セクハラかどうかは、『相手がどう思うか』に尽きるわけです。

 

性的な言動によって、

 

・相手が不快に感じるかどうか?

かつ

・それによって、職場環境が悪化しているか?

 

不快に感じて、それが理由で、継続して、職場の雰囲気が嫌になってしまい、出勤すること、仕事すること、職場で時間を過ごすことにストレスを感じさせているかです。

 

 

そして、パワハラかどうかは、

 

『業務に付随してなのか?』

 

『人格否定?行為否定?』

 

この2点が判断要素です。

 

業務上、注意指導(行為否定・行為改善)を行うことは、当たり前というか、必要なことです。

しかし、それを逸脱して、必要以上にダメージを与えようとする行為がパワハラに該当するわけです。

 

 

【セクハラ・パワハラによる労働トラブルを避けるために】

 

①セクハラ・パワハラ事例の情報共有

 

まずは、どういった行為がセクハラ・パワハラと認定されているのかを情報共有しておく必要があります。

もちろん、背景や人間関係によっては、全く同じことがあっても、セクハラ・パワハラにならないケースがあります。

しかし、実際にトラブルにつながった行為を情報共有しておくことで、行き過ぎてしまわないためのハードルを形成することは非常に大切です。

 

理屈では前出の通りですが、判例だったり、厚生労働省が配布しているアンケートの記載内容などから、具体的な内容を認識することで、より身近で、可能性のあることだと認識できるはずです。

 

②適正なコミュニケーションを深めておく

 

セクハラもパワハラも、行為者自身、被害者自身、行為者と被害者の人間関係などによって、全く同じ言動があって同じ処遇がなされても、全く問題にならないケースがあります。

それに関しては、そこに至るまでの人間関係が重要なわけです。

 

本当に熱のこもった注意指導ともなれば、業務と言うよりは、仕事に対する、いや生き方についての指導になることもあります。生き方の指導など、人格の根幹にかかわるものです。前出の判断要素で言えば、完全にパワハラです。

しかし、ここには上司と部下・先輩と後輩の愛情があるわけです。生き方・考え方についても、本来は上司や先輩の影響を受けて成長していくわけです。

過度なパワハラ予防のために、そうした機会が損失されるのも悲しい話ですが、現実には、そういう傾向も出てきているようです。

 

セクハラにしても、パワハラにしても、そうなる可能性があることを避けるというのも、代表的かつ正当な手段だとおもいます。

しかし、きっちりとしたコミュニケーションを普段から深めておけば、悪意のない言動が、セクハラ・パワハラ扱いされることはないはずなんですけどね…。

 

 

【まとめ】

シロクロが明確でないだけに、普段の関係に左右されるという性格が強いのがセクハラ・パワハラの実態です。

完全に防ぐには、やはり可能性があるような言動を慎むべきということになります。

もちろん、それがベストなのかもしれませんが、それにより、本来ある労使・上下・先輩後輩の関係の中で生まれてくるものが失われるとすれば、それは悲しい話です。

適正なコミュニケーションを普段から深めてさえいれば、悪意のない言動であれば、トラブルにまでつながらないと信じたい。というのが本音なのですが…。

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