【質問】
社員の外見、髪の色や装飾品、通勤時の服装について、規制をかけたいのですが、許されますか?
【回答】
制服レベルでない限り、強制することは難しいでしょう。ただし、業務内容により、業務上著しく不都合が出る場合などは、強制・規制することも可能になります。
そこまでの内容でなければ、途中で言いだすことは難しいでしょう。
ただし、採用前の立場が同等である段階でなら、応募を辞退することもできるわけですから、辞退されるリスクを認識した上で、強硬な条件を提示するのも自由です。
【解説】
質問の内容に関しては、原則は、個人の趣味の範囲ですから、抑制・強制・規制をかけることはあまり勧められるものではないでしょう。
ただ、経営者として、お客様との対応を自分の代わりとしてやってもらうわけですから、あまりに理解し難いものは納得できないでしょう。
これを防ぐことができるタイミングは一回だけしか訪れません。
それが面接の時です。
面接の時と言うのは、採用する側と応募する側が対等な立場です。
こちらが、服装等についての規制をかけたとして、嫌なら応募を取りやめれば良いのです。
これが、前職を退職した後だとか、他への応募を取りやめた後だとか、採用を前提とした動きの後だと、後出しじゃんけんになってしまいます。
そんなことなら応募しなかったのに、前の会社を辞めなかったのに、別の会社の面接に行っていたのに。
まあ、面接段階でも言われる可能性もありますが、法的には何の関係もない段階で伝えておかなければ、補償問題だったり、その規制に従う義務の有無というような話になってしまうわけです。
もちろん求人票の段階で全て表現できれば良いですが、スペース等の都合によってなかなかそこまでは難しいでしょう。
だからこそ、直接会うことになる面接で、まず、多少理不尽なことがあったとしても、法律上問題があることだったとしても、採用する側の条件を正直にちゃんと提示してあげることが大事です。
そうしておけば、多少法的な問題は残るかもしれませんが、人と人との約束と言う意味では、実態としての労働条件について、大きなトラブルにつながることはないと言えます。
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