【質問】
休職している社員が、医師の勤務可能という診断書を持って出社してきました。が、数日働いて再度休み始めました。この場合、休職期間は中断させても良いでしょうか?
【回答】
休職制度自体、法律上、制定義務のない制度です。
ですから、法律が何かを強制することもありません。
経営者が自由に決めることが可能です。
ただし、休職期間満了=退職となるケースが多く、あまりに理不尽な内容だと社会通念上おかしいという話になります。
今回のようなケースでは、就業規則においてどのように定義されているかというのがポイントです。
しかし、実態としては、古い就業規則ではそこまで定義されていないケースが多いようです。
【解説】
定義がなされていない場合は、どのようにすれば良いでしょう?
こうした取り決めのないケースでは、通常、どのような判断がなされるかというところを考えていくことになります。
休職制度は、私傷病で休んだ社員を、『労働義務についての債務不履行』ということで即時契約解除せずに猶予期間を設けるものです。
設けられた猶予期間の長さは、通常、会社が待てる限界の長さが設定されるはずです。
質問の例だと、数日働いた期間を復帰として取り扱うと、また、休職期間が振り出しに戻ってしまい、結果的に、会社が思っている期間よりも長い期間の休暇を与えなくてはならなくなります。
それは少々酷な話ではないでしょうか?
就業規則に定義がないと、一方的に押しきることは難しいかもしれませんが、少なくとも、数日の出勤だけで振り出しに戻すということは避けることができるはずです。
大切なのは、他の意図を働かせないことです。
辞めさせたいというような感情が強く出てしまうと問題が出てきます。
定義がない以上、判断基準は、第三者が見たときの納得性です。
もちろん、その場その場でこうしたことを思案・検討・決定しないといけないのは大変です。就業規則できっちり定義して労使で共有しておくことが一番大切です。
こうしたケースは精神疾患で生じてきます。
確実に増えてきている中、対応が必要です。
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