就業規則作成のポイント5 『職務の範囲』

大企業ではあまり重要視されませんが、中小企業では明確に定義しておきたい事項です。

 

中小企業では、1人がいろいろな役割をしなくてはなりません。

 

掃除だって、専門の業者と契約しているわけでもありませんから、みんなで協力してやることになります。

 

しかし…。

 

『私は経理としてこちらに雇用されているのですから、掃除なんてできません。』

 

こういった主張の下、掃除を拒否する従業員なんかも出てきます。

 

大原則は、採用の際、面接までの段階で、

 

『中小企業なんで専門的な仕事だけじゃなく、掃除や雑務といったこともやってもらうことになります。』

 

とちゃんと説明しておくことが大切ですが、就業規則に明確に定義をして、その義務を発生させておくことも大切です。

 

例えば…

 

『職務の範囲は、会社として行うべき業務の全てとする。個々の業務はあくまでも主たる業務に過ぎず、顧客の満足・会社の正常な運営のために必要な場合には、主たる業務範囲を超えて業務を行うこと。』

 

といった形で定義しておくわけです。

 

ただし…。

 

上記のような定義をした場合、部門閉鎖によって整理解雇する場合などは、社内において他業務へ従事する可能性を探るという義務がより強くなってしまいます。

 

とはいえ、上記の定義をしなかったら、全くしなくて良いわけではありませんので、『会社が専門職として雇用契約書において本条の除外を明記した者を除き』といった除外文を入れて、かなり特殊な職種の採用時には除外しておくのもひとつの手段です。

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