労働時間と修行・自己啓発

修行って労働時間でしょうか?

 

私たち士業の世界でも少なからずあることですが…。

 

独立開業できる業種においては、『修行』と呼ばれるような、ある意味、労働だとしたら労働の対価に見合わない賃金しかもらえないケースがあります。

 

独立開業するには、当然、経験が必要です。

 

しかし、自分で突然商売を始めても、特に職人的な業種、技術・知識が必要な業種では、お客様を満足させることができません。

 

ですから、雇用されて働いて、そこで経験を積ませてもらうわけです。

 

しかし、働く側は、そこで一生勤めあげようとは思っていません。

 

ある程度できるようになれば、技術や知識を身につける、あるいは盗むことができれば、独立して、勤務先のライバルになってしまうつもりなのです。

 

この関係というのは何とも微妙なわけです。

 

多くの事業主さんは繰り返します。

 

 

 

長く続かないからと待遇を改善する。

 

結局裏切られて、お客様を連れて開業される。

 

ちゃんとしても裏切られるからと労働条件を切り下げる。

 

みんなすぐ辞める。

 

で、最初に戻って、長く続かないからと…。

 

 

業種の性と言いますか…。

 

最近でこそ、独立開業しても、ちゃんと食べていける士業さんが少なくなっているので、待遇改善のところでストップしている士業の法人組織が増えてきているように思えますが…。

 

 

さて、前置きが長くなりましたが、もっと露骨な業種があります。

 

そういったところでは、最低賃金を割るような賃金設定で、修行をして…。

 

例えば、料亭の板前修業なんかであれば、そんな世界ですよね。

 

お金を払ってでも、そこで修行したい。

 

そこで修行したことが、経歴上の裏付けになるような…。

 

だから、たとえ賃金なしでも働かせてもらいたいと…。

 

みんな納得しています。

 

住み込みで、まかないも出るので、給与と言ってもおこづかいのようなものです。

 

 

修行とはいえ、当然、お客様にお出しするものの仕込みをします。調理します。買出しに行きます。

 

『労働かどうか?』と言われれば、確かに労働なのかもしれません。

 

ここに労働基準法・最低賃金法が介入しますと…。

 

 

 

この双方が納得している『修行』は、賃金不払い・最低賃金法違反ということになります。

 

理不尽だと思います。

 

しかし、修行が労働であるという考えが成立しているとすると、それを逆手に取って、お弟子さんたちが、賃金不払いと訴え出てくれば、その料亭がつぶれてしまう可能性だってあるわけです。

 

修行が、一定のカリキュラムに従って行われていて、使用従属関係が見られず、労働者として働いている者との明確な区別があったとすれば、労働ではないという話も出てくるのでしょうが、現実的には、恐らくは労働者との判断が下るでしょう。

 

指揮監督下にない時間帯に、自己の技術向上のために行っていることでも、結果として、その修行がなければ、業務が成立しないような場合は、やはりそれも労働と言わざるを得ないわけです。

 

何故なら、きっと使用者は、その修行が放棄されたときに怒るでしょうし、業務に支障が出るからです。

 

 

修行と労働時間についての見解は、おそらくは、それぞれの主張が平行線です。

 

修行の部分を最低賃金法で縛るわりに、御礼奉公は許されません。

 

それでは、先にあがった士業ではありませんが、使用者はライバルを育てては独立させ、育てては独立させを繰り返すことになります。

 

全ての業種に同じ法律ということ自体が、無理があるのかもしれませんが、法律を逆手に取る労働者がいないとも限らない以上、何かあったときに、被害を最小限にとどめるための手立てはきっちりとしておくことが大切ということになります。

 

先の修行の概念についても、労使でしっかり共通認識を持っておく必要があります。

 

 

あまり型にはめるのは好きではなく…。

 

実態に合った形で、使用者の思いが込められた就業規則を作って、労使で共有してもらってます。

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