何で、平成22年の年末調整をするのに、平成23年の扶養控除申告書が配られるのですか?

【質問】

何で、平成22年の年末調整をするのに、平成23年の扶養控除申告書が配られるのですか?

 

【回答】

本来は下記の2つの行程が必要です。

①平成22年の年末調整のために、平成22年の扶養控除申告書を最終確定させる。

②平成23年の給与計算のために、平成23年の扶養控除申告書を提出する。

しかし、多くの会社では、『平成23年の扶養控除申告書の提出②』をもって、『平成22年の扶養控除申告書の最終確定①』を兼ねているケースがあり、質問のケースにおいても、事務上の簡素化のために、②だけをされている内容だと思います。

 

ですから、年末調整をされない方についても、②の意図から、甲欄での税額控除を希望する場合は、必ず提出していただく必要があります。

年末調整をするために出すと思っていると、それが漏れてしまいますね。

 

【解説】

扶養控除申告書というのは、給与計算をしてもらうための、税金上の申告書です。

自身のメインの勤務先、1カ所にだけ提出することができます。

 

提出することは、下記のメッセージになります。

『ここは、私のメインの勤務先なので、安いほうの税額表(甲欄)で税計算してくださいね。』

 

扶養控除申告書を出さなかった場合は、メインの勤務先ではないという取り扱いになり、確定申告を促すためか、高いほうの税率(乙欄)で税計算されることになります。

 

この扶養控除申告書は、年中に異動や変更があれば、随時申し出て変えていく必要があります。

が、最終的に年末調整の際に、その年の末日においてどうであるかという内容を確定する必要があります。

その確定内容によって、年末調整計算を行って、年税額が確定するわけです。

 

つまり、

①年初・入社時に扶養控除申告書提出

②異動・変更時に随時、扶養控除申告書も修正

③年末に扶養控除申告書を確定

①年初・入社時に扶養控除申告書提出

…。

と繰り返していくわけです。

 

多くの会社では、この②③①をまとめて、年末に翌年の扶養控除申告書の提出により行ってしまっているわけです。

 

大抵は問題ありません。

 

が、年の変わりで、扶養状況が変わる場合、

平成22年は半年働いていたので、給与収入103万円を超えるので扶養ではない。

平成23年はずっと働く予定がないので、扶養になる。

 

こうした場合、平成23年の扶養控除申告書に、平成23年だからと扶養に名前を書いてしまうと、平成22年の年末調整も扶養扱いで計算されて、是正通知をいただくことになります。

 

今年の年末調整だからということで、扶養に名前を書かなければ、年中の給与計算時に、扶養が一人いることを考慮されなくなってしまいます。

※月々引かれる税金が少し多いだけで、結果年末調整で返ってきます。

 

つまり、書かないほうが良いってことになりますが、そんなことは、みんな考えてもいないし、知りもしません。

 

そのあたりについて、他の保険手続き等から、確認作業を行うのは年末調整担当者の仕事です。

大変ですが、頑張っていきましょう。

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コメント: 1
  • #1

    Delinda Boren (木曜日, 02 2月 2017 03:28)


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