増患・集患施策実行事例③ - 労務相談.COM(京都の社会保険労務士事務所 誰でも読める、誰でもわかる就業規則)

増患・集患施策実行事例③(患者カルテ分析)

こちらの医院は整形外科です。

 

患者数は1日あたり80名程度。

お父様より引き継がれた2代目先生です。

 

さらに患者さんを増やしたいと考えていらっしゃいましたが、何をどうして良いかわからないということでご相談をいただきました。

 

そこでお薦めしたのが、患者カルテ分析です。

 

電子カルテを使用されていましたので、とりあえずそこから出るデータを見ていって、その結果に応じて何をするか決めましょうということでお話をしました。

 

吐き出せたデータは、氏名・性別・生年月日・住所・初回来院日・最終来院日といったごく一部のデータでした。

 

このデータを、性別、年齢、住所の3つの項目で整理・加工していきます。

 

そこで浮かびあがってきたのは…。

 

引き継いだ後、患者層に変化が見られた。

3年前に引き継いだのですが、そこから性別のデータに大きな動きがありました。

 

明らかに女性の比率が高まっているのです。

カルテの増え方、つまりは初診患者も女性が多く、最終来院日が途切れている患者さんの多くが男性だったのです。

 

もちろん、通常、生活スタイルや性格的なこともあり、医療機関に多く通います。平均寿命も長いわけですから、女性が多くなるのは必然なのですが、問題は、過去、大先生の時代に比べて比率が高まっていることです。

 

もちろん、見方はいろいろあります。

①本来、患者さんが減る環境にあったのに、女性に多く支持されている現院長のおかげで全体数は減らずに済んでいる。

②本来、患者さんが増える環境にあったのに、男性から不支持になっている分、患者さんが増えずにいる。

 

いずれにしても、データからは、女性からの支持と男性からの不支持が見受けられました。

 

※その他にも、ライバル医院の影響力・競合の新規開業・駅へのメインルート等による地域的な影響や、診療時間の変更による世代的な変動なども見られました。 

意識するだけで…。

こうした結果をご報告した際に、この先生がおっしゃった言葉はこれです。

 

『じゃあ、とりあえず意識してやってみるわ。』

 

つまり、特別な施策を行いませんでした。

 

結果はと言うと、それから半年、男性患者の比率が上がってきたのです。
一番わかりやすく表れたのは、来院が途絶える男性患者が減ったのです。

 

後に先生に聞くと、

 

『自分でも女性患者への受けが良いのはわかっていたし、逆に男性患者への受けが悪いこともなんとなくわかっていた。しかし、これだけデータではっきりと見せられては受け入れざるを得ない。何をしたかって、男性患者を診る際に、今まで以上に意識して患者さんの意向を確認して、患者さんの意向に沿うようにしただけです。』

 

とのことでした。

大事なのは現状を正確に把握すること

データや数字というのは、妙な説得力を持っています。

 

それによって、現状を正確に把握することができます。

 

この例の先生のように、なんとなく思っているでは動けなくても、正確に把握すれば動けるということもあるでしょう。

 

そして事例②のお話のように、戦略的に増患・集患施策を実行するには、現状を正確に把握することは必要不可欠です。


つまり、まず何をやるかということで止まってしまうような場合は、まず、患者カルテ分析から行うことで道が開けます。

 

患者カルテは、増患・集患の地図と言っても言い過ぎではありません。

 

もちろん、分析してみた結果、これと言って特徴的な内容が生まれないケースもあります。
あるいは、分析してみた結果、もっと増患・集患したいのに、限界が見えるケースもあります。

 

しかし、どんな結果が出たとしても、正確に把握できたことは、絶対プラスになります。

 

もし、第1歩を踏み出せない先生がいらっしゃいましたら、是非、患者カルテの分析をしてみてください。

 

もしかすると、この例の先生のように、それだけで問題を解決できるかもしれません。

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