シフト制で勤務してもらっているのですが、月給制の正社員の労働時間数が少ないように思います。どうしたら良いでしょう? - 労務相談.COM(京都の社会保険労務士事務所 誰でも読める、誰でもわかる就業規則)

シフト制で勤務してもらっているのですが、月給制の正社員の労働時間数が少ないように思います。どうしたら良いでしょう?

【質問】

シフト制で勤務してもらっているのですが、月給制の正社員の労働時間数が少ないように思います。どうしたら良いでしょう?

 

【回答】

月給の対象労働時間数は明確ですか?もし明確でなければ定める必要があります。

 

また、正社員の勤務からシフトを埋めてもらっていますか?パートタイマーの希望の勤務を優先して残りを正社員が埋めるというスタイルを採っているケースが結構見かけられます。適切な人員であればこれでも問題ありませんが、余剰人員がいると、数えてみると正社員の勤務時間数が少なくなっている可能性があります。

(逆に多いケースも考えられます。)

 

毎月のシフト上の勤務時間数を報告してもらうなり、ときどきチェックを入れるなど、シフト作成を任せきりにしないようにしましょう。

(上記のような質問をしないならかまいませんが…。)

 

【解説】

(1)月給の対象労働時間数は明確ですか?

思った以上にこれが不明確なケースがあります。

一般的な週休2日1日8時間なら、勤務すべき時間数は明確です。『月給=所定労働時間の労働の対価』というのも普通に成立します。

(もちろん、別途定めていただくことはよりベターだと思います。)

しかし、シフト制の勤務では、そもそもの勤務すべき時間をシフト作成によって決定しますので、月給の対象労働時間数が曖昧だと、シフト作成者も何を基準にして作って良いのかわからなくなります。

ただし、時間・日数・曜日の不公平是正…などと多くルールを作ってしまうと、作成がかなり困難になってしまいます。

最低、労働時間数だけは定めておいて、できるだけ少ないルールにしてあげることがベターだと思います。

 

(2)シフトを埋める順番

パートタイマーのほうが、時間に融通が利かなく、さらに労働時間数が少なくなると収入が減るという性質があるので、労働者寄りのスタッフがシフト作成していると、悪気なく、善意でパートタイマーのシフトから埋めていくケースが見られます。

 

パートタイマーにとってはありがたい話ですが、経営者としては本来調整弁として機能するはずのパートタイマーの勤務が固定化すると、パートタイマーにしている意味もなくなります。

まずは正社員の労働時間数を確保し、その余ったところにパートタイマーの勤務を入れてもらわないと、例えばお盆・正月・GWなど休みが多い月に正社員の勤務時間が驚くほど少なくなるケースがあります。

 

もちろん、パートタイマーとの雇用契約上のおおよその週所定労働時間数の約束(週20時間~25時間程度など)があると思いますので、それは守ってあげるにしても、正社員の労働時間数を減らす理由はないはずです。

 

・シフトを埋めるのは正社員から。

この原則を守ってもらえば、質問のような話は出てこないはずです。

 

後は、先ほども書きましたが、たまにはチェックしてあげてください。チェックしていない中で、労働者が楽をしようとしてしまうのは、チェックしないほうの責任でもあると思いますよ。

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